ドラマレビュー

韓ドラレポ「恋愛体質~30歳になれば大丈夫」視聴感想

おすすめ度 ★★★★

30代女性の葛藤や成長、恋愛が毎話紡がれる名台詞と共に描かれ、すべての女性へエールを贈る傑作ラブコメディー!

作品情報

  • タイトル:恋愛体質~30歳になれば大丈夫
  • 原題:멜로가 체질
  • 放送:2019年8月9日〜9月28日 全16話
  • 脚本:イ・ビョンホン
  • 演出:イ・ビョンホン

出演

  • チョン・ウヒ▶︎イム・ジンジュ
  • チョン・ヨビン▶︎ イ・ウンジョン
  • ハン・ジウン▶︎ファン・ハンジュ
  • アン・ジェホン▶︎ソン・ボムス
  • コンミョン▶︎チェ・ジェフン

あらすじ

ジンジュ、ウンジョン、ハンジュの3人は、同じ家で暮らす親友の仲。破局と復縁を繰り返した末、7年来の恋人と別れたジンジュ、恋人を亡くしたウンジョン、シングルマザーのハンジュと、それぞれ波乱万丈な人生を送りながら30歳を迎え、互いの悲喜こもごもを共有し生活している。そんな中、ドラマ脚本家を目指すジンジュに大きな仕事のチャンスが訪れる。テレビ局の看板ドラマ監督ボムスがジンジュの脚本「30歳になれば大丈夫」に興味を持ったのだ。しかしボムスの助監督がジンジュの元カレだったことが分かり・・・。

(公式サイト より)

予告

ネタバレ感想

風の噂で面白いと聞いていて、日本ではもしかしたらあまり知られていないのかもしれませんが、韓国のドラマファンの中ではかなり人気なドラマのようです。
そして見てみたら見事に、面白い!となりました!
セリフが秀逸が、笑えて感動できて、考えさせられるドラマでした!
唯一無二なドラマなので、ピンクのジャケットと邦題に変な先入観を持たずに見てほしいです!

監督が「友達と気軽に会話するように見てほしい」とインタビューで答えていたんですが、ほんとその通りだなと思いました!
ドラマに大きな起伏はないんですが、私たちの身近に起こり得る恋愛を中心とした日常が描かれていて、その点だけで考えると舞台は違いますが、若干“応答せよ”シリーズや「賢い医師生活」シリーズに通ずるものを感じます。
雰囲気は全体的にずっとユルいです!脱力系というんでしょうか?笑
でもあれぐらい脱力していたからこそこのドラマは面白かったのかもしれません。

大人女性共感のラブコメということで、これから30代を迎える人も、ちょうど30代前後の人も、30代を既に経験した人でも、多くの人に刺さり共感できるドラマなのではないかなと思いました!
一言で言うなら、恋愛の参考書?的なドラマではないかと!!!

ジンジュ、ハンジュ、ウンジョンの3人の女性が主人公で、その3人を中心にそれぞれの恋愛や仕事の話が展開されていきます。

ウンジョンの家でウンジョンの弟とハンジュの息子のイングクも含めて、5人で共同生活をしているんですが、それが楽しそうですごく住みやすそうな雰囲気がとても羨ましかったです。

このドラマの中で一番好きなジンジュとドラマ監督のボムスのカップルがとんいかく微笑ましくて可愛いんです!
出会ったところから二人が惹かれあって付き合うとこまでの過程がずっと絶妙な空気感!

最初の登場でボムスのことはなんかクセの強い変な人、なんならきもいなーとさえ思ってしまうような男性だったのに、いつの間にかそう思ってた感情が嘘のように消えてしまいます。むしろいい男に見えます笑
ジンジュがやたらシャンプーの歌出してくるところ面白かったなぁ笑

ドラマ制作のキャスト決めやスケジュール組み、スタッフたちとの打ち合わせ風景が見れるのも、普段見てるドラマの裏側を見ているようで面白かったです。

脚本家と監督という立場で、ジンジュの元カレも交えながらドラマ制作の過程とともに人間模様が描かれていきます。
ジンジュが元々アシスタントしてたベテラン脚本家や、アシスタント仲間とのやりとりもとても面白いです。
酔うとうさぎになっちゃう脚本家のヘジョンのシーンは爆笑でした。

ドラマの制作会社で働くハンジュは、シングルマザーとして子供を育てるのと、会社という厳しい社会の両立をしなければならないしんどさが画面を通して伝わってきました。
PPL(間接広告)の担当で、撮影現場ではスポンサーの商品を映してもらうのに奔走します。
全く協力的じゃないドラマ監督とかワガママな役者にひどい苦労をしますが、その様子もおもしろおかしくて、でもリアルな厳しさも伝わってきて、ドラマの制作事情が見れるのも面白かったです。
マッサージチェアのPPLさすがに無理あるすぎるし、飲み物も露骨すぎてやりすぎてボムスが自分でつっこんでたのも面白かったなぁ笑

会社の後輩のジェフンともしかしたらなにか発展があるのかも?と期待してしまったんですが、そうはいかなったのでちょっと残念でした、、、笑
ㇵンジュが彼に抱いた複雑な感情は“ジェフンと”ではなく、“恋愛がしたい”という気持ちなんだと気付いたとき、この紙一重な感情の存在に妙に納得してしまうシーンでした。

ドキュメンタリー作品の監督をしているウンジョン。
仕事で出会った恋人ホンデ(ハン・ジュヌ)が病気になって亡くなってしまい、それを見てるのはとても心が痛かったです。

亡くなったあともウンジョンにはホンデが見えていて、普通に会話して優しく答えてくれるホンデ。でもはたから見るとなにもない空間に向かって話してるウンジョン。
それを自覚し、泣き崩れてしまうウンジョンのシーン辛かったですが、彼女なりのやり方で克服していこうとする姿が素敵でした。

途中で出会うCF監督のサンス(ソン・ソック)との関係性がこれまた絶妙すぎました笑

ボムスと同じく、最初はなんだかキモいなーって思ってしまうのにやっぱり途中からいい男に見えてしまうんですよね笑
恋愛にまでは発展しなかったですが、二人にしか出せない空気感、二人にしか通じなさそうな会話がほんとに絶妙笑

他にもいくつかカップルがいたり、主要キャスト含め、出演してるキャラクターたちがことごとく変わり者で個性的!
それが面白くてとても良かったんですけどね!
だんだんみんなに愛着が湧いて言動や会話も愛おしく感じました。

ウンジョンが密着してドキュメンタリーを撮っていた女優のソミン(イ・ジュミン)とマネージャーカップル特に好きでした。

他にも、おならのくだりがなかなか終わらない回など、そんなに嫌じゃないのもきっとこのドラマ特有のユルさのおかげで許されてます笑(おならの歌まで作られてました笑)

いろんなドラマや映画のパロディ的なシーンやセリフも多く出てきました。
特に印象的だったのが「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」の有名な雨の中二人で赤い傘をさすシーンなんですが、露骨すぎて思わず笑っちゃいました。画角まで完璧なのよ笑

いろんな形の恋愛があり、いろんな人間関係があり、なんだか変わってるし複雑なんですけど、共感できる部分があったのが見てて面白かったです。

素敵なセリフばかりで、なるほどぉ〜と思わせられるセリフがたくさんありました。
印象に残ったセリフたち↓

生きるって少しのいい思い出を抱えて辛い日々を耐えることなのかな?

ドラマ第1話

“欲しい”と”欲しい物を持っている”の間を狭めるため頑張って働いている

ドラマの第6話

やたら俺を笑わせるんだ やたら俺を 良い人にするんだ

ドラマ第10話

人は考え方が違う 考え方の違いで問題が起こるならば 半分は自分のせいだ

ドラマ第10話

未来に対する期待が 過去に対する後悔を上回ったの 私たちは十分最善を尽くした 過ぎ去った時間はそっとしておこう

ドラマ第12話

公共の交通機関には魅力がある 乗り換えが無料だ

ドラマ第14話

途中から完成度が落ちないように 最初から完成度を落とす

ドラマ第16話

人生って、自分の発する言葉や自分で選択して取った行動、そしてタイミングによって、その先の未来が変わりどうなるのかなんて誰にも分かりません。
毎日を必死に生きた結果なので過ぎた過去はそっとしておけばいい、今を大事に生きろう、、、そう思えました。
過去への後悔は誰でもあると思いますが、温かい言葉にたくさん出会えて良かったです。
一つ一つのセリフを嚙み締めたくて、誰しもが、“これは自分のことなのか?”とつい思ってしまうでしょう。
何気ない日常を頑張って送る三人と、毎日を頑張って生きる私たちとで、重なるところが少なからずあると思います。

OST

  • Beom June Jang/흔들리는 꽃들 속에서 네 샴푸향이 느껴진거야
  • 천우희, 안재홍/흔들리는 꽃들 속에서 네 샴푸향이 느껴진거야 (Actors Ver.) 

さいごに。

ラブコメですがヒューマンドラマのような、良い意味で掴みどころがなく、ストーリーの切り口がたくさんありました。
一見淡々としているように見えますが実は奥深く、新しい面が出るたびに感情を掻き立てられる作品でした!
人生焦らず楽しみつつ、少し適当に生きてみよう。

初めの方にも書いた「恋愛の参考書みたいなドラマ」という言葉のように、自分も恋愛や人生でつまずいた時に何度も見返したいと思ったドラマです!

夜中のラーメンって最高ですよね。

ABOUT ME
Natsu
小学生のころに韓ドラにハマり、そのまま15年以上韓ドラを追いかけ続けている淑女です。