おすすめ度 ★★★
作品情報
- タイトル:イカゲーム
- 原題:오징어 게임
- 放送:2021年9月17日〜
- 脚本:ファン・ドンヒョク
- 演出:ファン・ドンヒョク
出演
- イ・ジョンジェ▶︎ソン・ギフン(No.456)
- パク・ヘス▶︎チョ・サンウ(No.218)
- ウィ・ハジュン▶︎ドシク
- オ・ヨンス▶︎オ・イルナム(No.001)
- チョン・ホヨン▶︎セビョク(No.067)
- ホ・ソンテ▶︎チャン・ドクス(No.101)
- アヌパム・トリパシ▶︎アブドゥル・アリ(No.199)
- キム・ジュリョン▶︎ハン・ミニョ(No.212)
- イ・ユミ▶︎ジヨン(No.240)
あらすじ
勝てば天国、負ければ…即死。賞金に目がくらみ、奇妙なゲームへの招待を受けた参加者たちを待っていたのは、昔ながらの遊びを取り入れた死のゲームだった。
(Netflix より)
予告
ネタバレ感想
「カイジ」「ライアーゲーム」「今際の国のアリス」などの“他者を蹴落として生き残る”類の作品を見てきた人にならきっとありますよねあの既視感!
、、、というのもあり、連日Netflixランキングの一位にランクインし世界的な人気を記録している今作ですが、正直ここまでの盛り上がりは個人的に全く予想してなかったです笑
実際に監督のファン・ドンヒョクは「バトル・ロワイアル」や「ライアーゲーム」の影響があるのを認めています。10年以上前からこの作品の企画を立てていたということに驚き。
だるまさんが転んだ、綱引き、ビー玉遊びなど、どれも昔懐かしい子供時代を象徴するゲームですが、それを使って生死をかけるサバイバルゲームをするというところが韓国らしいといいますか、他の作品とはまた違う雰囲気や世界観があって面白かったと思います。
知ってるゲームだったり、子供が遊ぶゲームなのでルールが分かりやすく、いちいちルールの解釈に気を取られて他に集中できないなんてことがなかったのも良かったです。
子供の頃に”無邪気”に”無欲”に、ただ楽しむことだけを考えて遊んでいたときとは違い、”負けたら死ぬ”という殺伐とした空気感、そのギャップがこのゲームの異様さを際立たせていました。
プレイヤー側の緑のジャージと主催者側のピンクのジャンプスーツが対比を意識して作られていて効果的でした。
圧巻です、、、不気味だけど、目には良さそう、、、(そういうことではない)
とりあえず序列上位になりたいので私には□のマスクください。
鮮やかでポップな舞台セットは隅々まで凝っていてそこを見てるのも楽しかったです。
ゲームは昔懐かしいものばかりで童心を思い出すし、セットでパステルな色味を使いポップな世界観を作り上げ、まるで夢の国にいるような感覚になりそうなのに、そこに“死”が加わることで一気に不気味に感じさせるこのドラマの世界観、とても興味深いと思いました。
この奇天烈な画の強さは初め見たときに、韓国ドラマだとは思えないぐらい韓国ドラマにしては珍しい仕掛けだと思いました。
主役にイ・ジョンジェをキャスティングしたのが意外だなと思いました。
今までノワールものや政治ものなどのちょっとお堅い系の作品でよくお見かけしてたので、今作のちょっとコミカルで情けないダメダメオヤジはかなり新鮮に映りました。
他のそれぞれのプレイヤーたちも一人一人のキャラクターが確立していて、人間の愚かな弱い部分が分かりやすく描かれていました。
そして序盤のカメオでコン・ユ!!!
そこ来たかー!その役で来たかー!「トガニ」でファン・ドンヒョク監督との素敵な縁続いてくれてありがとー!と叫びたくなる瞬間でした。
地下鉄で静かに座ってるのでめんこ勝負したい。負けるので叩いてください。その代わり本人の連絡先が書いてある名刺が欲しいな。(落ち着け私)
こういうジャンルの作品で見どころの、極限状態になった人たちの人間模様がこのドラマでもしっかり描かれていました。
死を直前にし、その瀬戸際で人間の本性が現れ、疑心暗鬼になったり、裏切り、裏切られ、、、カップルや仲間など一番近しい者まで対象になるという非情。
「このゲームではみんなが平等だ」というセリフが何度か出てきますが、“平等”とはいったいなんなのか問いたくなります。
現実世界でも平等を謳う人は多いですが、実際不平等を感じている人が数多くいるわけで、、、
デスゲームを描く作品によく出てくる人間賭博をしている人たちがいる時点で、このゲームは平等ではないんです。
というか、そもそもこんな理不尽なゲームに“平等”だの“チャンス”だのそんな言葉が似合わないんじゃ!!!
最後にゲームを勝ち抜いた者は大金を手に入れることができますが、その勝者はきっとこう思います、“果たしてそのお金を手に入れたら幸せになれるのだろうか?”現代の格差社会、持たざる者と持ちすぎた者の差の問題提起、資本主義、そして人間とはなにかを9話かけて魅せてくれた気がします。
オ・ヨンスがインタビューで、 “最後に残った勝者は、自分が勝者ではなく敗者なんだと気付く。”と答えていたように、物語の結末から見ても、監督の現代に生きる人へのメッセージがうかがえました。
監督が伝えたかったこと
“参加者に残されたものは絶望と恐怖 怒りと悲しみだけに思える
でも外の世界と同様に人間らしさと希望を失わないのが大事だ”
YouTube「イカゲーム舞台裏映像」より引用
ここから黒幕のお話などするので、まだ見てない方はご注意ください!
カメオでフロントマンのイ・ビョンホンの登場にはかなりテンション上がりました!
イ・ビョンホン主演映画「内部者たち(インサイダーズ)」の名セリフ“モヒートに行ってモルディブ一杯やろうか”を引用されたセリフがこのドラマ内にあったので、もしや?そうだったらこのセリフに意味ありすぎるな?伏線だったら監督天才か?なんてことをドラマ視聴中に妄想していたので、まさかのほんとにイ・ビョンホンだったときは歓喜どころの騒ぎではなっかたです笑
監督、大天才でした!!!
(ちなみに、8、9話以外のときの覆面のフロントマンを演じていたのはクォン・ユジュンという俳優さんです。)
主催者の黒幕は、終盤でなんとなく予想できてしまいましたね。
独特な世界観で真新しさを期待しただけに、そこは無難に行っちゃったか!というかんじがあり個人的にはちょっとがっかりでした、、、
ゲームのラストはあれで納得はしているんですが、ギフンのお人好しな性格設定からするとまぁそうするよねとなんとなく察することができてしまったので、黒幕の件も含めてなんですが、後半はそこまで意外性はなかったと思います。
それでも、最終的に幸せになれたのは誰なんだろうと考えさせられました。
さいごに。
一話のだるまさんがころんだの大きい人形で視聴者を一気に引きつけ9話までテンポよく見れるドラマでした。
グロさは正直そこまで感じなかったです。
グロさというよりは人間同士の残忍さが際立っていた作品だと思いました。
ちょっとエッチなシーンもあるので家族で見るのは気をつけましょう笑
最後の赤髪にしたのだけモヤモヤなんですけど、どなたか納得のいく考察聞かせてください笑
最後ぐらいいつものスーツにキメキメのイケおじイ・ジョンジェが見たくて美容院から出てくるところを期待してたのでおったまげ笑
セビョクは私が済州島に連れてったるぅぅぅ~~~!!!