おすすめ度 ★★★★★
作品情報
- タイトル:ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です
- 原題:무브 투 헤븐: 나는 유품정리사입니다
- 放送:2021.05.14〜 全10話
- 原作:キム・セビョル/「去った後に残されたものたち (떠난 후에 남겨진 것들」
- 脚本:ユン・ジリョン
- 演出:キム・ソンホ
出演
- タン・ジュンサン▶︎ハン・グル
- イ・ジェフン▶︎チョ・サング
- ホン・スンヒ▶︎ユン・ナム
- チ・ジニ▶︎ハン・ジョンウ ※特別出演
あらすじ
強いこだわりをもつ青年と、これまでずっと疎遠だった叔父。突然同居を始めた2人の仕事は、遺品が教えてくれる故人の想いを、残された者たちに届けること。
(Netflix より)
予告
ネタバレ感想
これまた深いドラマ見つけてしまいました!ドラマから学びを得られる価値ある作品!
原作の遺品整理士本人著作のノンフィクションエッセイを脚色したドラマなんですが、そもそも遺品整理士という仕事があること自体このドラマを通して初めて知りました。
亡くなられた方の膨大な遺品の中からヒントを見つけ出し、大事なものを選別し、そして故人が伝えられなかった話を残された人たちに伝えるという、彼らの人生が見えてくる大切な作業なんですね。
ムーブ・トゥ・ヘブン社の理念素晴らしいです。
過労死、孤独死、同性愛、自殺、ストーカー、海外養子などの現代の問題から繋がるいろんな“死”がこの作品では描かれています。
伝えたいことがあっても誰も聞く耳を持たなければ伝わらないし、残された遺品たちも誰も知ろうとしなければそれはただのゴミになってしまいます。
その大事ななにかを遺品整理士が見つけてくれることによって、彼らにも幸せなときがあったんだということを教えてくれた気がして心が軽くなりました。
遺品をよく見れば、故人の話が聞こえてくると言っていました、アッパが。
しかし、聞こうとする心がなければ、よく聞こえないと言いました、アッパが。
ドラマ4話のセリフより
主人公のグルを見てるだけでヒーリング効果が感じられました。グルのキャラクターがあったからなおさらこのドラマは深く、温かく感じられたんだと思います。
アスペルガー症候群の役を完全にものにしていたタン・ジュンサン、素晴らしかったです!
「サイコだけど大丈夫」のオ・ジョンセ演じるムン・サンテと是非共演お願いしたい!、、、という話は一旦置いときまして、全話を通してグルというキャラクターが丁寧に描かれていた気がします。
純粋で素直なグルだからこそ、発せられる言葉にハッとさせられることが多かったです。
人を愛せない方が恥だ、愛する事は恥じゃない。
ドラマ5話のセリフより
5話での医師とチェリストの回、親は息子が普通の人と違う(同性愛者)という事が恥だと思ったのではないかというサングの言葉に対してグルが発した言葉です。他にも素敵なセリフたっくさんあります!!!
包容力あって、頼りがいあって、とにかく良い人すぎるチ・ジニのお父さん役もいい味出してて最高すぎました。
というかチ・ジニの安心感が絶大すぎて好きです。韓服のイメージが強い方が多いと思いますが現代物のチ・ジニも素敵ですよね!
親子のシーンほっこり!もっと見たかった!手話のくだりはほんと泣けます。
人の感情を読み取るのが苦手なグルですが、グルはグルだけの方法で他人を想う、、、最終話のスマホメッセージでグルに語りかける父の姿にグッと来ました。
素敵な両親からたっくさん愛情を注がれて育ったおかげで今のグルがいるわけですね!
思い出は力になるし、消えないし、愛されて育つって大事なことだと改めて実感しました。
そしてサングおじさんことイ・ジェフンもめちゃくちゃよかったです。
協調性のかけらもないサングがグルと生活しながら、さらに遺品整理の仕事を手伝い故人の想いに触れる中でどんどん変化していく様子に目が離せません。
お互いに影響し合ってグルも他人を受け入れるという点で影響を与えられて、その関係性がいいなと思い、二人を見守ってるうちに応援したくなりました。徐々に“家族”になっていく二人が素敵でほっこり。
コンサートで感動して素直にスタンディングオベーションしちゃうサング超絶可愛かったです❤︎
最初から傑作なんですが、色んな人の死に向き合ってきたグルが最後は自分の身近な死に向き合い、遺品整理をしながら心の整理をする最終話、これは傑作中の傑作でした!
たくさんある素敵なセリフと、豪華なカメオ出演(イ・ジェウク、少女時代のスヨン、PENTAGONのホンソクなどなど)のキャストたちに是非注目して見てください!
「ヴィンチェンツォ」のクムガプラザが出てきたのはかなり興奮しました。
そしてイ・ジェフンとイ・ジェウクの肉体美にはただただ感謝したいです。
遺品整理をする前にちゃんと挨拶をするとこが好きなんですが、“遺品整理”のことを“最後のお引っ越し”と呼ぶ表現特に好きでした。
そして、亡くなられた故人やその関係者だけでなく、遺品整理をしてくれる人に対する気持ちも慎重にならなければならないなと思わされました。
さいごに。
ここまで読んでいただければ分かると思いますが、ほんとに傑作ドラマなんです。ほっこりの連続なんです。
社会問題になっていることを一つずつ丁寧に描いていて、毎話が濃縮されていて、どの回も見応え抜群です!
心がじんわりと温かくなります。
普段遠ざけている“死”について考える機会を与えてくれる素敵なドラマ!是非たくさんの人に見ていただきたいです!